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25セントの恋人ごっこ

ねこがかわいい。本を書く。

国民のために新聞を消費税「非課税」にしましょう!

消費税率が2014年4月から8%に上がり、今後10%が予定されている(かもしれない)昨今皆様いかがお過ごしでしょうか。
2014年12月の衆院選で軽減税率が争点の一つになるなか、導入の際には各業界が我も我もと軽減税率の適用を求めることが予想されます。
食料品、衣料、文化……さてどれに軽減税率を適用すればよいのでしょうか。

ところで新聞もまた同様に、軽減税率を求めています。

でもいっそのこと軽減税率なんて中途半端なことを言わないで、現行の消費税法にもある「非課税」を適用すれば良いのでは!?

軽減税率を求める声明||声明・見解|日本新聞協会


知識への課税強化は国の力を衰退させかねないほか、欧州では民主主義を支える公共財として新聞などの活字媒体には課税しないという共通認識がある。民主主義社会の健全な発展と国民生活に寄与する新聞を、全国どこでも容易に購読できる環境を維持することが重要である。

 


新聞協会もこのように、新聞は民主主義社会の健全な発展には必要不可欠であり消費税を課税するなんてどんでもありません!
ならば消費税は非課税にすることが望ましいはずです!!


<以下、消費税法における「非課税」の説明>

消費税はそもそも間接税であり、納税者と税負担者が異なり、事業主が購入者(サービスの提供を受けた者)から徴収した消費税を納付します。

その際の納付消費税額の計算は

消費税の納付税額 =  課税期間中の課税売上に係る消費税額 - 課税期間中の課税仕入れ等に係る消費税額

となります。

つまり「売り上げたときに預かった消費税」から「仕入れたときに支払った消費税」の差を納付することになっています。
その差がマイナスであれば還付を受けることになります。
事業開始年度で色々設備を整えたり商品を仕入れたりしたが、売上がそれほど上がらなかったときなどがよく該当します。


……と、そこで売り物の消費税が非課税であれば計算上マイナスになるから還付されて良いのでは、と思いますよね。


でも、そうじゃないんです!


・そもそも「非課税」って?

消費税には消費したものに課税をするという税の性格上、または社会政策的配慮から、課税しない非課税取引が限定列挙で定められています。
前者に「土地の譲渡および貸付」など
後者に「住宅の貸付」「社会保険医療」「学校教育の学費」など
があります。

No.6201 非課税となる取引|消費税|国税庁


そこで、非課税取引があった場合の消費税の計算方法をもう少しだけ細かく見ていきましょう。

No.6401 仕入控除税額の計算方法|消費税|国税庁

「課税売上高が5億円超または課税売上割合が95%未満」の場合は
「個別対応方式」「一括比例配分方式」を用いることにより、
原則的には「課税売上に対応する課税仕入れの税額『だけ』を控除の対象とする」ことになっています。

 

【個別対応方式】の計算方法

その課税期間中の課税仕入れ等に係る消費税額のすべてを、
 イ 課税売上げにのみ要する課税仕入れ等に係るもの
 ロ 非課税売上げにのみ要する課税仕入れ等に係るもの
 ハ 課税売上げと非課税売上げに共通して要する課税仕入れ等に係るもの

 に区分し、次の算式により計算した仕入控除税額をその課税期間中の課税売上げに係る消費税額から控除します。

(算式)
 仕入控除税額=イ+(ハ×課税売上割合)
 この方式は上記の区分がされている場合に限り、採用することができます。


簡単に言うと、非課税物品(上の計算で言うとロ)だけを売っている事業主は、仕入れに掛かった消費税を売上から控除できずすべてを丸抱えして自分が払わないといけないのです。

特に消費税の導入、率の引き上げ時に影響を受けたのは診療機関です。
なぜなら診療器具や医薬品や消耗品を仕入れるときには消費税が課されるのに、売上の大部分を占める非課税の診療報酬は国に点数化され固定されているので値上げをすることができないからです。
それでは消費税の分だけ利益が減ってしまいますから、消費税課税の自由診療(人間ドックとか、美容整形とか)を増やすなど対策を打たなければいけません。
もっとも、医師の団体である日本医師会は政治の世界にも発言力を持っていますから、厚生労働省に掛け合い、診療報酬自体を引き上げるように求めました。(そして実現させました)

税制関連資料|各種お知らせ・報告|医師のみなさまへ|日本医師会

なので、「消費税が上がったけど医療費は消費税非課税だから上がらないよね」、というのは消費税法的には事実なのですが、実際的には事実ではありません。


もっとも、この非課税売上に対応する課税仕入は控除の対象としない、という計算方法自体、公平ではないのではないか、という意見はありますし、医師会もそのように提言しています。


社会の木鐸であるところの報道機関である新聞社が「新聞は非課税だけど仕入控除税額がないから消費税増税分値上げをする」(法の建前上、この理屈は使えない)なんてことは言い出さないと……

 

「軽減税率を求める新聞協会声明」

http://www.pressnet.or.jp/statement/pdf/keigen_zeiritsu.pdf

ゼロ税率や軽減税率を適用し


あ、ちゃんと声明で「非課税」ではなく、仕入控除税額が発生する「0%課税」を出しています。
しっかりしていますね。
でも、それって「輸出免税」「消費税還付」を受けている輸出企業を批判している(この批判も消費税法的にはおかしいけど)ところはシステム上同じなので同様に軽減税率を導入した業界を批判しないといけないんじゃないかなあ……

 

ではでは。

 

次回、「消費税軽減税率導入にあたって復習しよう、物品税時代に何が問題となったか。~キムワイプおいしい!キムワイプは食料品です!~」をお届けします。(しません)