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25セントの恋人ごっこ

ねこがかわいい。本を書く。

年末調整は徴収の方がお得なのです!!

(な、なんだってー)
 
12月、所得税の年末調整の時期となりました。
年末調整の結果、所得税は追加徴収と還付に分かれます。
そこで還付になると手取りが多くなるのでなんだか得をした気分に、徴収になると手取りが少なくなるうえに税金を余計に取られている気がして損をした気分になってしまう方もいるかと思います。

しかし実は所得税を追加徴収された方が「得」になるのです。

説明する前に、年末調整の仕組みを簡単におさらいしておきましょう。
年末調整とは月例給与及び賞与(まとめて賃金)から徴収した所得税と、最終的な年収から計算された所得税の差分を精算する行為のことを言います。

・差分が生じる理由
月例給与からは
「給与所得の源泉徴収税額表」を元に
「支払額から社会保険料等を引いた額」と「扶養人数」から直接税額を算出します。
月例給与に対しての所得税は「税率」ではなく「表に基づいた税額」ですので、毎月の給与に対する税率というものは存在しません
(電算機計算の特例では、計算式がないわけではないのですが)

一方の賞与からは
「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を元に
「支払額から社会保険料等を引いた額」と「扶養人数」から税率を算出し、
「賞与の支払額から社会保険料等を引いた金額」に税率を掛け税額を算出します。
 
そのため、賞与支給月の前月に普段よりも多く給与が支払われた場合、賞与に対する税率が跳ねあがってしまうことがあるのです。
 
月の残業代が翌月に払われる方は、10月の残業時間が、11月の残業代に反映され、12月のボーナスの税率に影響する、というわけです。
 
またこの税率を決定するに当たり、国税庁「年間賞与は給与の5カ月分」という想定のもの税率を出しているので5カ月分超の賞与が支払われる場合、設定されたものとずれてしまうことがあるのです。
賞与に対する源泉徴収 国税庁

これらの理由により、残業代がなく年間賞与が5カ月の人以外はほとんどの場合差分が生じます。
 

また、還付と徴収には以下の理由も加味されます。
 
還付の理由
・年の途中で扶養人数が増えたことが明らかになった
・月例給与で反映されない扶養控除がある
(扶養親族が19歳以上~22歳未満に適用される特定扶養控除
 扶養親族が70歳以上に適用される「同居老親控除」「同居老親以外の老人」など)
・年末調整の控除書類を提出した
生命保険料控除、地震保険料控除、その他の社会保険料控除など

徴収の理由
・年の途中で扶養人数が減ったことが明らかになった
 
年末調整で加味されるものは還付に傾かせるものばかりなので、結果還付になることが多いのです。

いよいよ本題です。
このように所得税は最終的には一年間の年収から計算されるもので、給与や賞与から事前に徴収されている分はあくまでも「仮の暫定的な徴収」となり、それまでどう取られていようと年税額は変わらないことになります。
つまり、1万円の還付になろうが1万円の徴収になろうが、あなたが取られる年間の所得税額が変わるわけではないのです。
しかも還付になったとしても利子がつくわけでもなく、徴収になったとしても利息が取られるわけではありません。
これは言いかえれば
「還付=国にその分を無利息で貸していた」
「徴収=国からその分を無利息で借りていた」
とも取ることができるのです。
現在は預金利率がほとんどゼロに近いので実感がないのですが、年末調整で徴収をされた人はその分を国からタダで借りていたようなものでその分を運用に回せていた(銀行に預けていただけでも少しは利子がついていた)ので割引現在価値という観点からは徴収の方が還付よりも「得をした」と言っていいのです。


と、文句が来たらそう言えと、かつての上司に教わりました。
(しかし、やったぜ徴収だ、という人はまずいない)
 
 
年の前半に本来扶養に入れるべきではない人を扶養に入れておいて、年末調整時点で外しておくことにより、前半は税金をほとんど取られない(年末調整時に多額の徴収が発生する)という技があるような気がするのですが、何とも……
 
 

 それはさておき、12/25に藤元杏シリーズの2巻が出るので年末調整で還付が出た人は是非とも!